研修プログラム
初期研修

当科では、腎疾患を軸にしながらも内科全般を横断的に学べる初期研修を行っています。 腎疾患患者は全身合併症が多く、軽微な尿異常から多臓器不全を呈する重症例まで幅広いため、腎臓病学にとどまらず、内科医として必須となる総合的な臨床判断力を実践の中で身につけることができます。
研修期間中は、学校検尿異常の精査や各種腎炎、急性腎障害、慢性腎臓病、末期腎不全に至るまで、罹患初期から末期までの腎疾患の全ステージを経験します。 輸液療法、体液・電解質管理、酸塩基平衡異常への対応はもちろん、血圧管理や感染症、心血管合併症など、どの診療科に進んでも必ず役立つ基本と実践を体系的に学ぶことが可能です。
病棟はチーム制を採用しており、3-4チームで構成されております。各チームは指導医1名、専攻医・研修医あわせて2名程度で構成され、約15-20名の入院患者を担当します。 年間の新規入院患者数は約900名と非常に多く、腎生検、血液透析導入、腹膜透析導入、持続血液透析、血漿交換など、豊富な症例数と手技経験が当科の大きな特徴です。 毎朝のカンファレンスでは、担当症例を全医局で共有し、治療方針について活発なディスカッションを行っています。この環境は、プレゼンテーション能力の向上だけでなく、将来の認定医・専門医取得を見据えた症例整理・考察力の基礎作りにも直結します。
また当科では、血液透析・腹膜透析・在宅血液透析・腎移植(連携施設)といったすべての腎代替療法を高いレベルで提供しており、バスキュラーアクセス外来や腎代替療法選択外来など、専門性の高い外来診療にも触れることができます。Shared Decision Making を実践する診療スタイルは、患者中心の医療を学ぶ貴重な機会となります。 さらに、糖尿病専門医・管理栄養士・療養指導士と連携した「糖尿病性腎症外来」や、CKD教室といった啓発活動を通じて、チーム医療・地域医療の実際も体感できます。

研修スケジュール
8:00
病棟症例カンファ
8:00
病棟症例​カンファ
  8:30
​入退院カンファ
8:00
抄読会・予演会
 
8:30
入退院カンファ
8:30
​入退院カンファ
  10:00
教授回診
8:30
​入退院カンファ
8:30
​入退院カンファ
午前
病棟業務
午前
​病棟業務
午前
​病棟業務
午前
​病棟業務
午前
​病棟業務
午前
病棟業務
シャント手術
午後
病棟業務
透析カンファ
午後
病棟業務
PTA
午後
病棟業務
午後
​病棟業務
午後
​病棟業務
午後
病棟業務
  17:30
医局会・勉強会
       
当科での研修の特徴

当科の最大の特徴は、腎臓内科として全国トップクラスの症例数と、その圧倒的な多様性です。実際に2024年の診療実績では、外来患者数29,568人、入院患者数935人を受け入れており、初期研修医であっても日常診療の中で数多くの症例を経験することができます。 腎疾患診療の中核となる腎生検は年間87件と非常に多く、急性腎障害、慢性腎臓病、各種腎炎など、教科書的な症例から重症例までを実際に担当しながら学ぶことが可能です。 また、末期腎不全医療においても、血液透析・腹膜透析の新規導入数は年間156人、腹膜透析患者数29人、在宅血液透析患者数35人と、すべての腎代替療法を実地で経験できる環境が整っています。
重症患者診療も当科研修の大きな柱です。持続的血液浄化療法は207件と、救急・集中治療領域と密接に関わる診療を日常的に行っており、敗血症・多臓器不全、重症膵炎、劇症肝炎といった全身管理を要する症例を通じて、内科医として必須の判断力・対応力を身につけることができます。 また、対象疾患は腎疾患にとどまらず、心血管疾患、免疫疾患、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・Crohn病)、変性神経疾患など多岐にわたり、「腎臓を診る」ことを通して、全身を診る内科力が自然と養われる研修となっています。
これらの豊富な症例経験を基盤として、学術活動にも積極的に取り組んでいる点も当科の特徴です。内科学会関東地方会、日本腎臓学会東部学術集会、日本透析医学会などでの症例報告を継続的に行っており、研修医自身が担当した症例を、指導医のもとで学会発表まで導く体制を整えています。文献検索の方法、スライド作成、症例のまとめ方や考察までを上級医とともに行い、完成度の高い発表については論文化まで見据えた指導を行います。初期研修の段階からこのような経験を積めることは、将来どの専門分野に進むにしても大きな財産になると考えています。
圧倒的な症例数の中で、「診る・考える・発信する」を実践的に学ぶ。 それが当科の初期研修です。